私たち佐藤家は代々、
畑を耕し、丹精こめて
米や里芋を育て、
山菜や川魚など
自然の恩恵を受けて
暮らしてきました。
「森の家」とは古くから
伝わる私たちの屋号です。
森の家に、室町時代から
代々受け継がれてきた伝承野菜が
「甚五右エ門芋(じんごえもんいも)」です。
一般的な里芋品種「土垂れ」よりも
ずっと収量の少ない手のかかる品種ですが、
土と時間が自然に育むままに、
品種改良することもなく、
おじぃとおばぁと佐藤家の先祖が
代々守り抜いてきた一子相伝の里芋です。
甚五右エ門芋を育てる畑を覆うのは、
大谷地の緻密な粘土層です。
甚五右エ門芋はこの土壌からしか生まれません。
甚五右エ門芋はとても粘り気が強く、
その食感は他に類をみないほどに柔らかく、
口中でとろりと溶けるよう。
煮くずれしないのに箸で割れば
ほろりと身をくずすほどに柔らかく、
切り口は雪のように白く美しく。
甚五右エ門芋は宝石のような、
自然の恵みの結晶です。
甚五右エ門芋とこの畑の土は、森の家の宝です。
畑の奥の「魔ヶ谷地(まがやち)」は、
おじぃの昔話にも出てくる魔物が棲む場所。
リスやカモシカ、うさぎ、たぬき、
きつね、いたち、熊など
野性のけものたちも顔をだします。
清らかな水がこんこんと湧き出ては、
甚五右エ門芋やその他の伝承野菜、
山菜、キノコ、様々な作物にちからを与えます。
昼と夜、夏と冬の寒暖の差が激しい気候も
作物たちをおいしくします。
森の家は、真室川の風土が育くんだ
この自然のおいしさを、
みなさまにお届けしていきます。